「…嫌…! エイジ…!」


 どうして。

 どうして、レンもユイもエイジを止めないのか。

 エイジが今、何を言ったのか分かっているのか。

 あの組織を壊滅させる、そんなことなんて出来る筈がない。

 殺される…!


「エイジ…っ」


 身体が思うように動かない。

 エイジの方へ歩み寄ろう とするのだが、足がもつれてうまく歩けない。

 全身が震える。

 どうしたらいい。

 今、このままエイジを行かせたら二度と…!!


「行かないで!」


 ミサトは、声の限り、エイジの背中に向かって叫んでいた。

 苦しくて、うまく息が出来なかった。