「…にた…」


 エイジとレンは、ぴくりと顔を上げた。

 聞き間違いじゃないのか。


『死にたい』


 そう聞こえた。

 だが、聞き返す間もなくユイは動く。

 そして、ユイの右手がミサトの頬にヒットした。

 あまりの一瞬の出来事に、エイジとレンが止める間もなく。

 次の瞬間、ミサトの身体は床に転がっていた。


「ふざけないで!!」


 おそらく、エイジもレンも初めて聞く、ユイの怒号だっ た。

 だがミサトは、ぶたれた頬をかばう訳でもなく、床から起きようとしない。

 ユイは容赦なくミサトの襟首を掴んで、無理矢理引き起こす。