軽く息を整えながら、二人はその場に立ち尽くす。

 いつの間にか雨が降りだしていた。


「…とりあえず、片付いたみてェだな」

「うん…」


 雨に濡れて、滴り落ちる水滴を指で払いながら、ミサトはエイジに向き直る。


「レンは…ホントにシャンに撃たれたの?」


 その質問に、エイジは答えるのを少し躊躇った。


「あァ…。あいつと俺たちは、組織にいた頃一緒に仕事をしたことがあってな。彼女は組織の中でも優秀なスナイパーだった…ミサト、オマエと同じくらいにな」


 ミサトは黙っていた。

 エイジの言葉には確証がある。

 養成所にいた頃、シャンは一番銃の扱いががうまかった。