「一番関わったからこそ、ね。今まで何人もの刺客があなたたちのことを狙い、ことごとく失敗してる。だから、より近い私なら、あなたたちの隙をついて任務を遂行できる…組織はそう考えたのかも知れない」


 でも、とシャンは悲しそうな笑顔を浮かべた。


「あんな状況でお礼を言われるなんて思わなかったわ、エイジ。それにミサト…私、嬉しかった…この一年、あなたがどれだけ幸せだったか…それだけで、私…」


 シャンはそのまま回れ右をする。


「まっ…待って、シャン!!」


 慌てて声をかけるミサトに、シャンは一瞬立ち止まる。


「港に、使われてない倉庫があるわ…レンもきっと、生きてる」

「…シャン!!」


 再び走りだしたシャンを追い掛けようと、ミサトが動こうとした瞬間。


「ミサト!!」


 エイジの声に、ミサトは反射的に身を翻す。

 銃声が響き、ビシッと地面に穴が開いた。