「どうして…」


 続けて言葉を発しようとしたが、ミサトにはそれ以上の言葉は見つからなかった。

 今のシャンには幼い頃の面影は全くない。

 どうしてなのか、そんなことは聞かなくてもとっくに分かっている。


「シャン…レンを…」


 今は、その言葉を絞りだすのが精一杯だった。

 シャンは銃を持った手を力なく下ろしたまま、何も言わずにその場に立ち尽くしていた。


「仕方…なかったのよ」


 そんなことはわかっている。

 任務を遂行てきなければ 、死という制裁が待っているのだから。


「なんでまた…俺たちに一番関わった人間にこんなことさせるかね、あのクソ組織は」


 エイジは吐き捨てるようにそう言って、地面に座ったままタバコを取り出した。