「もしもし、たっちゃん?どうしたの?」
《あぁ、今回のテスト1番だったろ?ご褒美やるから、理事長室に来い》
近くに銀狼がいること知ってか、早々に本題へと入る。
「いや、無理でしょ」
《何でだ?》
「だって……」
《あぁ、銀狼の奴らか……大丈夫だ、放送で呼んでやるからな》
放送なら怪しまれずに行けるか……でも、理事長が職権濫用ってねぇ。
まぁそれがたっちゃんと言えばそれまでなんだけど…。
「はーい……楽しみにしてる」
《ああ、じゃあ後でな》
「ん、バイバイ」
通話を切って顔を上げると、私を睨んでいる蓮と目を合う。
「由美、そいつ誰だ」
蓮が不機嫌なこと、すっかり忘れてた………。