<<直してみたよ★>>
――――――――――――――――
「誰がナルシスト男だって? そんなに俺にかまってもらいたいのか?」
そう言って、クスリと笑うナルシスト男。
「はぁっ!? 誰がアンタなんかに……!」
「静かに!」
私が否定しようとすると、先生に止められた。
なんで私が怒られなきゃいけないのよぉ~。
「では、甘宮(あまみや)、自己紹介しなさい」
「となり町の第一高校から転校してきた、甘宮来夢(らいむ)です。どうぞよろしく」
フンッ! 気取った話し方しちゃって!
「ちょっと、いちご! あの転校生と知り合いなの!?」
そのとき、うしろの席のくるみが、興味津々な様子で声をかけてきた。
「し、知り合いなんかじゃないよ!」
「えー!? さっき話してたじゃない! うらやましい~」
「うらやましい!?」
ふと周りを見わたすと、教室内の女子はみんな目をキラキラさせて、ナルシスト男に見とれている。
「甘王の元トップなんだよな……スゲ~」
男子の方からは、アイツを敬うような声まで聞こえる。
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「セリフを言っている人の様子が、わかりやすくなったわね」
「ありがとうございます!」
「いちごちゃんの席の位置や、クラスの男女比、担任の先生はどんな人か……あたりもわかると、より明確に伝わるわよ」
「なるほど~!」
たしかに、最初に詳しく書いておけば、あとから『イメージとちがった!』って思われてしまうことも防げるもんね。
「セリフが多い文章は、テンポよく読み進めることができるから、魅力的よね。だけど、誰のセリフかわからないと、読んでいる人が混乱してしまうから注意が必要よ」
「そのとおりですね! それに、話している人の様子が入ると、さらにイメージしやすくなりますね」
動きや表情がわかると、その人の性格も想像しやすくなるかも♪
「そうね。3人以上の会話や、このシーンのように大勢が登場するところでは、とくに意識してみてね」
なんだか心配になってきたから、次回までに、他のページも読み返してみよーっと!!
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Step3♪まとめ
誰のセリフか、
読者にきちんと伝わるよう、
意識して書いてみよう。
とくに、3人以上の会話は
注意が必要だよ!
また、話している人の様子がわかると、
よりイメージしやすくなるよ。
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<<コイチゴが書いてみたよ★>>
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【来夢 side】
「ねぇねぇ、甘宮くん、メアド教えてよ!」
「彼女いるのー!?」
HRが終わると、たくさんの女たちが俺の席に集まってきた。
甘ったるい声で、俺に媚びる女たち。
正直、こんなヤツらに興味はない。
――ガタッ。
俺は無視して立ちあがると、アイツの席に向かった。
「おい。さっきはおもしれぇこと言ってくれたじゃねぇか」
「……ッ!?」
俺を“ナルシスト男”とか言いやがって。
……まさか、このあとの会話が運命を左右するなんて、ふたりは知るよしもなかった。
【いちご side】
ナルシスト男がクラスの女子たちに囲まれるのを、自分の席から横目で見ていると……。
「おい。さっきはおもしれぇこと言ってくれたじゃねぇか」
ヤツがいきなり立ちあがり、私に話しかけてきた。
「……ッ!?」
私はビックリして、固まってしまう。
――――――――――――――――
「HRのあとのシーンです!」
「ここから、来夢くん目線が入ってくるのね」
「そうです! それぞれ気持ちが書かれている方が、わかりやすいと思うので♪」
「たしかに、そういう書き方もあるけど……これだと、来夢くん目線といちご目線で、同じシーンを2回書いていることになるわよね」
「ダメなんですか?」
「ダメなわけじゃないわ。ただ、ここではふたりの気持ちもほとんど書かれていないから、新しい情報がなくて、読者はつまらなく感じちゃうんじゃないかしら」
「なるほど……!」
たしかに、繰り返し読むのは面倒だし、テンポが悪く感じてしまうかも……。
「それと、『……まさか、このあとの』から始まる文は、いつ、誰が感じている内容かしら?」
「えぇと……」
未来から振り返る……神様の目線!?
って、おかしいじゃん!
「ここは、現在の来夢くんが見ているものや感じていることが書かれたシーンだから、その視点を突然変えてはダメよ」
「そうなんですね! 書き直してみます!」
<<直してみたよ★>>
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【来夢 side】
「ねぇねぇ、甘宮くん、メアド教えてよ!」
「彼女いるのー!?」
HRが終わると、たくさんの女たちが俺の席に集まってきた。
甘ったるい声で、俺に媚びる女たち。
正直、こんなヤツらに興味はない。
――ガタッ。
俺は無視して立ちあがると、アイツの席に向かった。
「おい。さっきはおもしれぇこと言ってくれたじゃねぇか」
「……ッ!?」
俺を“ナルシスト男”とか言いやがって。
おかしな女だな……。
これから、楽しませてもらうとするか。
【いちご side】
ナルシスト男が突然話しかけてきたから、私はビックリして、固まってしまった。
「プッ。どうした? また俺に見とれてんのか?」
「ちっ、ちがうわよっ!!」
ほんとにムカつく!!
だけど、他の女子を無視して、私のところへ来てくれたアイツ。
それが、ほんの少しだけ……うれしい、なんて感じてしまったんだ。
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「うんうん、この方がどんどん先に進めるから、楽しく読めると思うわ」
「よかったー♪」
「来夢くん目線の最後の部分も、よくなったわね。未来からの予告のような文を入れなくても、読者をワクワクさせる書き方はできるはずだから、今回みたいに工夫してみてね」
「ありがとうございます!!」
なんだか自信が湧いてきた♪
「ただ……この来夢くん目線、ちょっと短すぎるんじゃないかしら?」
「えっ! そうですか!?」
「視点があまりにもコロコロ変わると、読者が混乱してしまう可能性があるのよ。読んでいて、感情移入しづらいしね」
「そうなんですね!」
「それと、今回はなかったけど、ひとつの作品に大人数の視点が出てくるのも、感情移入しづらくなってしまうから、気をつけて」
たしかに……。
ライバルキャラとかお母さんとか、視点がコロコロ切り替わる作品は、なかなかストーリーに入りこめないんだよね。
まずは、主人公ふたりの目線で、短くなりすぎないように、書き直してみようかな。
コイチゴ、がんばりま~す!
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Step4♪まとめ
side形式のバランスは、
おかしくないかな?
同じシーンを2度書く必要が
あるのかどうかも
考えてみよう!
また、
未来目線や神様目線の文が入らないよう、
気をつけてね。
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<<コイチゴが書いてみたよ★>>
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『俺にホレたか?』
う~ん、う~ん……。
ハッ!!
私は、朝日が差しこむ自分の部屋で、目を覚ました。
夢……かぁ……。
ナルシスト男の夢を見るなんて、朝からサイアク!
新学期初日の出来事が、衝撃的すぎたんだ。
それに……あれから毎日、アイツは同じ調子で、私にちょっかいを出してくる。
女の子たちからは、にらまれるし……。
ホント、いい加減にしてほしいのに~~!!
「いちご~! 早く起きなさい! 今日からテストでしょ?」
そのとき、1階から、お母さんの声が響いてきた。
ヤバ! すっかり忘れてたけど、今日からテストだ!
遅刻できないよ~~!
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