あたしは立ち上がった。



「帰ろっか。」



あたしは歩き出そうとしたが、律があたしの手を握ったことによって遮られた。



「俺は、軽蔑なんかしてない…。」



「え…??」



「うつ病が、弱い奴がなる病気だなんて思ってない。俺は…強くて優しい子がなる病気だと思ってる。」




強くて優しい…??



あたしはそんな人間なんかじゃない…




「あたし、そんな人間じゃないよ…??」




「え…??」




「優しくもないし、強くもない…。ただ、クラスのみんなや学校のみんなに好かれたくて、いい子にしてるだけの弱い人間なのよ…。」