「律…。あたし、つらかった…。」



「うん…。」



「つらかったの…。人間が怖いの…。もう…誰も信じられない…。」



「うん…。」




律は優しくあたしの頭を撫でながら、ずっと聞いてくれた。



何も言わずに…



それで安心したのか、あたしの目からは涙が溢れた。



施設に来てから、一度も泣いたことなかった。



泣いたら、負けになる…



今の自分を認めてしまう…



遠藤先生や斎藤先生は、『この病気を認めることができれば、早く治ることができる』なんて言ってたけど…



あたしは認めたくなんかなかった…