こいつが紗良のことを呼ぶとなぜか虫酸が走る。




「紗良はできない。

祈祷するためには使い魔がいるからな。
それに紗良はなぜか霊力を持っていない。」




幸嶺家といえば陰陽師の中でもトップクラス。
兄の亜樹も受け継いだのに紗良だけがそれを受け継がなかった。



因みに僕の使い魔は皆がはく君、はく君って言っているのだけどな。
それにはくではなく、白狼(はくろう)。
それにあれは犬じゃなくて狼だ!
霊力を隠すために犬みたいな姿にはなってるけどな。




「へ~、でも紗良ちゃんが祈祷してる姿想像するとやばいよな。
俺だったら喜んで祈祷してもらうぜ。」




「キモイ。
なんなら僕が一生蘇らないように封印してやろうか?」




「じょ、冗談だよ!
てか、利來にその笑顔で言われても全然冗談に聞こえないんだけど!」




「僕はいつだって本気だけど?」