「この痣全然消えないな。」
私の右手の甲の端の方には生まれつき何かのマークを半分にしたような痣と炎の痣がある。
いつ見てもなんの痣なのかは分からない。
「うん…。
昔は嫌で嫌で堪らなかったけど今はなんとも思ってないからいいんだ。」
「ふん、ほらできた。」
「うわー!利來って包帯巻くのうまいよね。
ありがとう!」
「それは紗良が怠いとか言って包帯を巻くのをサボるからだ。」
「私より巻くのうまいからこれなら毎日利來に頼もうかな?
ねっ?」
利來にニコッと笑顔を向ける紗良。
「えっ!?」
包帯の巻かれた手を眺めていた紗良には利來の顔が赤くなったことなんて知る由もなかった。