「そういえば、さっきの口裂け女?あれどんな感じのやつなの?」

そう言うと美奈ちゃんは目を輝かせ嬉しそうに微笑んだ
・・・美奈ちゃんはほんと単純だと思う・・・


「鈴音ちゃんやっと都市伝説に興味持ってくれたんだね!」


「え、あぁ、まぁ」


「口裂け女っていうのは、身長2メートルくらいで赤いコートを着て赤いハイヒールを履いてるの、一番特徴的なのは耳まで隠れるようなマスクをしてること!マスクの下は口が耳まで裂けてるんだよ」


「へぇ」


「手には鎌、鋏、鉈などを持ってて狙ったターゲットを100メートル6秒で走る速さで追いかけるんだって、すごいねぇ」



「え、そんなに速いんじゃ絶対逃げられないよ」

ハイヒールで100メートル6秒とかどんだけだけ速いんだよ!


「いや、でもね、対処法があって好物のべっこう飴をあげて口裂け女が夢中になってる隙に逃げるとか。あとポマード!」

急に聞きなれない単語に首を傾げる


「ポマード?なにそれ?」


「昔の男性用の整髪用の練り香油・・・だったかな?」


「なんでそんなのが嫌いなの?オッサン臭でもするから?」


「ブフッ、オッサン臭ってなに!!違うよー。
 ・・・口裂け女ってね、整形手術に失敗した女性の姿なの。そのとき手術をした医者がポマードをべったりつけていたことからその臭いと名前が嫌いなの」

なんだか・・・それって・・・



「かわいそう・・・ってかひどい話だよね。綺麗なろうと思ってたくさんのお金を集めたのに失敗とか・・・私が口裂け女ならポマードつけたやつ片っ端から叩きにいくわ」


「・・・・・ハハッ、鈴音ちゃんらし~。怖~い」


「怖いは余計だっつーの」


「はは~」