彼の見た目クールだが、想像がつかないルックスと爽やかな笑顔で、かなりの人気をもつ。

いわゆる、可愛い系男子だ。

このクラスの何人かは、彼の隣の席がよくて先生にまで媚びを売っているやつもいる。

だが、私はそんなに彼のことを気にしたことはなかった。

彼とだって、席が隣になるまでは全く喋ったことがなかったから…

「河合ちゃん、ここに分度器あてて」

「うん、わかったよ~」

そして彼は、私のことを"河合ちゃん"と呼ぶ。

「河合ちゃん、ありがとう。 あのさ、さっきからボーとしてるけど大丈夫?」

「えっ?あ、大丈夫だよ。気にしないで」

「ふーん」

ヤバイ、ヤバイ。集中しなきゃね。
先輩の一言で何でこんなに考え込んじゃってるんだろう?