ある日。

友達の家から帰ってきた日、私は自分の気持ちに名前をつけた。

獅子島が自分の家の前で誰かを待っていた。

おそらく両親だろう。

淋しくないわけなかった。

だって私達まだ小学生だから。

我が儘を言えるほど子供でもなくて、割り切れるほど大人でもない。

いったい何時から待っているのだろう。

胸が苦しくなった。

このまま獅子島を一人にしていてはいけない。

「帰ろう?」

「やだ」

「ここ寒いよ」

「…」

「じゃあ、リビングで待とう。あそこなら外見えるから。私も一緒に待つから……だから、帰ろう?」