「ううん、こちらこそ、今日はお疲れ様。これからよろしくね。」






サラちゃんはこっちを見てそれだけいうと、階段を上って姿を消してしまった。






「さーてと、ノア、お前の家の様子を明確に思い浮かべながらこのハートに息を吹きかけろ。ちゃんとくっきり思い浮かべるんだぞ。」





気づくと目の前にあの小さなオブジェが差し出されていて、ルアの腕は私の肩に置かれたままだ。





「え?あ、うん、わかった。」






いわれたとおりに正確に家の絵を頭の中に思い浮かべた。



なんだろう?


前よりなにもかもがはっきりと思い出される気がする・・・

これも悪魔の力なのかな?






あ、それよりも家家・・・



もう一回集中し、そっとハートに息を吹きかけた。





すると、またあのハートが動き出す。







どんどんどんどん色を変え、


どくどくと鳴り始めた。



でも不思議と前回みたく意識がもうろうとするような感じはない。




ただ、なにかに吸い込まれるような気分になって・・・・








気づいたらあっという間に自分の家の前に立っていた。