「はい、これ。飲む?」





テーブルに茶色い液体の入ったコップを置きながら、こっちをやさしい目で見てくるサラちゃん。





「あ・・・・うん。ありがとう。」







ちょっと気持ちを落ち着かせたかったのでありがたくそのコップを受け取る。






・・・甘・・・




それはとてつもなく甘いココアだった。





サラちゃんはまだ子供だからちょっと甘党なのかもしれない。





そう思いながら、目の前の少女の顔を見る。






するとあっちも静かにこちらを見ていた。





子供とは思えない凛とした表情だ。







「それで・・・さ、悪魔がいるっていうことは今のところ確認できたんだよね?」







やっとサラちゃんが口を開き、質問された。





「・・・・あ、うん。さすがに、あんな自分の姿とか見ちゃったわけだし、あれが悪魔っていうものなら・・・・・まあそうなのかな・・・・と。」




素直に自分の考えを言ってみた。




コップに口をつけながら、クスッと微笑むサラちゃん。


本当に綺麗な外国のお人形さんのようだ。






「そっか。・・・・じゃあまだ、天使がいることは聞かされてないわけ?」



「あ、なんかユゥからちょっとは聞いたけど、詳しくは。」





「なるほどね。じゃあ根本から説明しないとだね。」






そう言うと、サラちゃんはコップをテーブルに置き、ソファに座りなおした。






「あのさ、人間の肩の上で、天使と悪魔が言い合いながら人間を困らせるっていう描写、どっかで見たことあるかな?」