「うん。そうだなー、とりあえず、のあちゃんこのソファに座ろ。じっくり全部説明してあげるから。」







私の困惑した表情を見て、若干哀れむような顔でサラちゃんが提案した。







「え、あ、うん・・・・。ちょっと説明してもらうとありがたいかも。」







とりあえず落ち着いて話ができることにほっとする。






「あ、でもその前にそのネックレスを一回握ってもらっていい？羽が邪魔で座れないと思うから。」






あ、そういえばまだ羽があったんだった。






そこで言われたとおりに逆さクロスのチャームを握ると、一瞬ちょっと、背中に変な感触があった。







もう一回鏡のほうを向くと、家を出る前に見た自分の姿へと戻っていた。






羽も光も消えている。





「あ、いいよ、ここにすわって。」





ほんの少しぼーっと鏡の前に突っ立っていたら、後ろのほうから声がした。






振り向くとサラちゃんがコップを手に持ちソファにちょこんと座っている。





「あ、ごめん、つい。」




クロスから手を離すと、小走りでソファのほうに駆け寄った。





ちょっと遠慮がちに向かいの椅子に腰を下ろす。