そして、


「泣かないで下さい。ちょっとタイミングを逃しましたが、手持ち無沙汰は失礼だと思いましたので、チョコを持参させて頂きました。」



──天使の笑顔!!!!



「ゆ、ゆ!悠斗!!やべえよやべえよやべえよ!!」

「出○哲朗じゃねーんだから…。何だよ?」

「菜月ちゃん!!菜月ちゃん!!」




ぐ、と片腕だけで悠斗の体を引き寄せた。ちょっとヒョロくね?飯増量しよう。


気味悪がる悠斗の耳元に唇を寄せ、さらに気味悪がる悠斗につぶやく。菜月ちゃんには聞こえないように。




「タイプ。一番手ェ出したいタイプ。」

「死ねよクソ兄貴。」



ちょっと真剣味を帯びてみたらこの態度だよ…。


俺は悠斗を解放し、無邪気にエンジェルスマイルを展開している菜月ちゃんを見る。ダメだ。どう反応したら良いか分からねえ…。




すると、いきなり重力が引っ張られた。


否、悠斗が細い手が俺の胸倉を引き掴み、俺の耳元を引き寄せていた。こいつ、喧嘩慣れしてそうだな何か。