そのまま。

会話の流れを忘れたかのように雅は、首を傾げたまま凱司を見つめた。



「…んだよ」


急に黙って、じっと見つめてくる雅を、気味悪そうに見やり、凱司は煙草をくわえ直して視線を逸らせた。



「…凱司さんの目、綺麗ですよね」


呟くように言う雅は、特に返事を求めているわけではないようで、ただ一瞬、緊張したような瞳を揺らした。

凱司は、いぶかしげに視線を戻し、眉を寄せる。




「…あたしは…どうして息吹さんから守られてるんですか?」

心配、いらないですよ? と。


雅は小さく呟き、俯いた。



「……息吹さんが…その…レイプ魔だ、っていうのは聞いたけど……」

その場で殺される訳じゃない。



「あたし……平気です」


困ったような、緊張したような。
切ない目をして笑ったまま。



雅はそう、言い切った。