「い…生きてます!別に特別英語悪いとかじゃないですもん!だいたいなんでそんなにできますか!?」


「日本語くらいはまともに話せ、この馬鹿!」


はあぁ、と盛大に息をついた凱司は、ルーズリーフをもう一枚引き寄せた。



「もっと近い将来の夢とかないのかよ? 就きたい職業とか」

「凱司さんは、ほんとは何のお仕事してますか?」



ペキッ、と紙の上でシャープペンシルの芯が折れて飛んだ。



「おーまーえーのー事を訊いてんだっ!!」


ぎゅっと目をつむり、肩をすくめた雅は、だってだって、と呟いた。


「だって!いつも家に居るかと思えば、スーツ着て出かけたり!ドラムスティック持ってったり!英語が筆記体だったり!」


「筆記体関係ねぇだろがっ!」


だいたいお前は“だって”が多いんだ、と独りごち、凱司はため息をつくと、探るように雅を見た。