だけど、相手はあたし達のことを覚えてる気配がない。

なんせ少なくとも8年経つんだから覚えてないのも当たり前か…。

その時までのあたしは甘い考えをしていた。

三角関係になるとはしらずに。



始業式が終わると、蒼と鈴原と日菜は部活があるから部活に行ってしまった。

あたしは人が少なくなった教室で帰る準備をしていると、ある人物に話し掛けられた。


「………ねぇ」

「えっ、はい?」