いつだったかな?


この日の練習はフリーだった


そしてこれから始まるシーズンに向けてひとりひとり監督と面談って言うメニューだった


今更なにをはなすんだと思ったけど別に良いかなって


おれは3年の方でも最後の方だった


終わった奴らに聞くと特に特殊なことはないらしいし軽い気持ちで面談が行われる体育館教室にむかった


監督はいつもよりは軟らかい表情で笑っていた

みんなに聞いたとおりふつうの面談だった


そろそろ終わりかなと思ったときに監督は急に表情を変えた


「おまえは相原とつき合ってるらしいな」

まさか監督に相原のことを聞かれると思わなくてびっくりした

「はい……」


別に俺はこれが悪いことでもないと思ってたし特に気にしなかった


「悪いことは言わない……

相原のためにも村瀬のためにも別れたほうがいい」


俺は耳を疑った


まさか、こんなこと言われるとはな


いくら監督に言われても相原と別れる気はない


野球と相原どっちも全力で出来ると思ってたから


「いいか??これからは村瀬も相原も本当の勝負が始まる


特におまえは学校だけじゃない、地域全部の期待を背負うんだぞ??

それだけじゃない、県全部の期待、日本中の期待かもしれない


おまえは自分が思ってる以上に周りに期待されてるんだ

高校野球が終わってそれで終わりってわけにはいかないはずだ」


意味が分からなかった


日本中の期待ってなんだよ!?


俺は実力的にもまだまだでそれに今は目の前の大会しか考えられてない


まずは高校野球なんだよ!!


もしプロや大学もあるかもしれないけどなんで相原がいちゃだめなんだよ!?


それに相原だってみんなの期待を背負ってるじゃねーかよ


一緒だろうがよ!!


監督が言ってることは本当にわからなかった