体を寂しさが擦り抜けて膝を抱え込むようにして座った。


膝の上を一粒の涙が零れた。


携帯が震えてるのに気付いたのはしばらくしてからだった。


通話ボタンを押して力なく出るとあの声が聞こえた。



『魁…聞こえてるだろ?…俺さ、お前の携帯壊れてるって知ってるから、ただ、聞いてもらえるようにと思って。』



深夜の静けさの中に深雪の落ち着いた低い声が響いた。



『あんな奴らいなかったらもっといー感じだったんだけどさ……俺、お前のことかなり好きなんだよ…付き合ってほしい。返事……もらえるなら、下の公園にいるから。』



もう、気分が落ちてるとか誰にも合いたくないとかそんなのもう、どーでもよくて。


駆け寄って窓を開けると、下には深雪の暖かい微笑みがあった。



「よ。」


「っ…たしも………大好きだよ!」



辛いことのあとは、一つ踏み出すから幸せになるって本当だったんだね。


大好きだよ、深雪。



END-----☆