『…プッ、あー魁?どした?』
「深雪……助け…て……深雪……深雪………」
『悪戯かぁ〜?切るぞ?』
何でこんな時に…嫌だ、嫌だよ。
キ ラ ナ イ デ
『ぢゃ、またな。ガッ…』
虚しさに涙が出た。
結局、あたし一人ではどうすることもできない、ちっぽけな人間だってこと、思い知らされた気がした。
ゆっくり窓を閉めて、布団に包まった。
どれくらいたったか分からない。
しばらくして、夜が深くなった頃だと思う。
玄関の扉をすごい勢いで叩く音がした。
幸い、妹は泊りだったからいなくてあたしは、重い腰をあげて扉を開けた。