最近、まだ夏の夜空の名残がある空を見上げることが好きでよく、窓を開けっぱなしにする。
きらきら眩しく輝く空は、まるで憧れである女の子、綾のようだったから。
「―からさ、ま―ちょ…って。」
そんな綺麗な星空の夜だった。
11時半を回るか回らないかの頃。
空の下から声がした。
嫌な響きのする、声だった。
「…からさ、真崎って―たぢゃ―つぞ……けて―るくなっ―よ。」
嫌な、予感がした。
そっと、窓の枠に手をかけるように下を覗き込む。
声の出所は、どーやら近所の公園で汚らしい笑い声をあげながら男数人が笑っている。