「ぢゃー!うちこっちだから!」


「うん、また明日ね?」



きらきらしてて眩しい綾。


そんな綾の近くにいると、何だかあたしまできらきらしてて眩しくなれる気がするんだ。


幸せの崩壊なんて、音もたてずに近づいてくることも知らないまま、あたしは、永遠の幸せを信じ続けていた。



《from:深雪
 subject:おーぃ♪

 最近どーだ(^O^)/
 また悩みとかあったら言えな☆》



最近届いたメールの文を読み返しながら、溶けかけのアイスを舐めた。


まだまだ高く青い空に吸い込まれそうになりながら、手を届かせるようにうんと高く、背伸びした。



《to:深雪
 subject:はーぃ♪

 大丈夫だよ☆
 また今度話そう!》



早くなったメール打ち。


その反面、通じなくなる電話。


愛着が増すほど、古くなり壊れていく。


そんな携帯以上に脆く、壊れやすいものがあるなんてその時のあたしには分からなかった。