「奈緒、るい、オハヨーさん!ところで………朝から何してるん?宝塚とか?」


 的外れな事を聞いてきた友人の上村あかねはカバンを両手に持ち、笑顔で挨拶。

 あかねは後ろで髪を結んで眼鏡をかけており、言葉の大きさに合わないほど地味な感じ、恰好も何だか地味に見えるほど。


「あかねちゃん聞いてくれる?るいちゃんが私の愛を受け……」

「わかったわかった。奈緒がるいにちょっかいかけとんやろう?」

「違う違う」

「朝からアホやっとたら学校遅刻するわ〜。るい、奈緒放置して行こうや」

「少しは私のはな……、話を聞い……………、待ってよ二人とも〜〜〜」


 るいとあかねは奈緒の話を聞こうともせずに先に進み、おいてきぼりにあった奈緒は二人に追い付こうと走った。

 が、足の速いるいとあかねに比べて奈緒はものすごく遅く、距離はどんどん離れていく。