「つ〜と〜む〜」

「な、何ですかあかねさん?」


 家を訪ねてきたあかねに怯んだ勤は、あかねの疑うような目つきにますます怯んでいた。


「茶飲ましてくれへん、茶!!」

「茶?茶って………お茶ですか?」

「他に何があるねん?絵の具と思ったん?もう絵の話とかええって!!」

「え、あ、はい。どうぞ………」


 あかねは我が物顔でリビングに座り、勤は慌ててお茶を入れようと台所に行こうとするが、袖を掴まれた。


「勤、何しとん?」

「何って…………お茶を」

「ここにあるやん!?」

「でもコレ、温く………」

「何勿体ない事言っとん?お茶は冷めても上手いやし、問題ないって!」

「ハァー……………」


 あかねは勤が注いだお茶を一口飲みとよほど苦かったのか、顔は苦々しい顔になっており、勤はまた怯んだ。