「私、仲直り出来ないまま麻理ちゃんがいなくなったでしょう?私、凄く後悔してさ………」

「・・・・・」

「そんな時にるいちゃんが『ウザ子』って呼んでくれて………」

「・・・・・」

「嬉しかったの、るいちゃんとも麻理ちゃんともいれたみたいで」

「………………ねえ奈緒」

「は、はい」

「な、何を勘違いしてるの?そんな事………あるわけないじゃん?」

「え………………」


 るいの目は蔑むような冷ややかな目で、奈緒はその目を見るやいなや何とも言えない悲しい表情。

 二人の間には見えない溝みたいなものが出来、そこに冷たい風が吹いたようであった。


「ウザい…………、そうウザいからウザ子って呼んだだけだよ?」

「・・・・・」


 奈緒はますます悲しい顔を見せ、るいはその顔に軽く動揺したが、それを悟られないよう真顔を崩さない。