「そん事なんやけど実は麻理、一度先に帰ってん!」

「帰った?麻理ちゃんが?」

「恥ずかしいからあんま言いたくないんやけど、ウチそん時転校してきたばかりやったやろう?」

「そうだった………かな?」

「真っ暗で帰り道わかんなくなってんけど、麻理が戻って来てくれてん」

「へぇーー、それじゃ………」

「も、もうこの話しは終わり。それよりるいも麻理に迷惑かけた事あるやろう?」


 コレ以上話したくないあかねは食い気味にこの話しを遮り、るいはあかねの勢いに一歩引いた。


「私は別に…………」

「何かあるやろう?ウチだけ恥ずかしい思いはイヤや」

「箱……………」

「箱?たいむかぷせるの事?」

「ううん、それじゃなくって………」


 答えづらそうなるいの顔を覗きこむように見るあかねはじーっと顔を見ていて、答えるのを待った。