話しは平行線のまま、一歩も進まない。その時、るいのケータイのバイブが突然鳴った。


「おやおや〜、るい、もしかして彼氏とかちゃうの〜」

「違う違う」

「ホンマに〜?彼氏やろう?」

「まさあ……………まさか、そんな訳ないじゃん」

「るい、隣の彼氏が怒っとるよ〜」


 奈緒はるいのケータイを見ようとケータイを取り上げようとするが、るいは手でガード。

 その攻防は何度か続き、メールが着た事を知らせる音が鳴り止むと、るいはメールを開いた。


「るい誰からなん?」

「何かね、美術館行こうって」

「絵か、それより誰から?」

「で、何時にしようかだって」

「無視かい!…………絵ね。そんなん何がオモロい?」


 あかねは興味ないのか、その事には一切触れないようにした。が、奈緒だけは違った。