そんな二人を尻目にあかねは今にも眠りそうな目をしながら、船をこいでいた。


「あかねちゃん、眠いなら帰ろうか？」

「るい、大丈夫やって。ウチはまだまだ体力とか全然なん………」


　あかねは疲れで余程眠いのか、目を何度もゴシゴシと擦るのだが、眠さがが取れない。


「あかねちゃん、やっぱり今日は帰ろう。奈緒もへばっているし、また来ればいいんだし」

「そうしたいんやけど、ウチもうあまり時間がな………」

「…………時間？」

「ウチな、卒業したら京都に行って修行することになってんねん」

「え！？そんな話し聞いてないよ」

「ウチも昨日オトンに言われてな、『若いうちは修行も必要や』やって」

「…………そうなんだ」


　突然の話しにるいは話しを理解する事が出来ず、ようやく呼吸を整った奈緒が中に割って入った。