「もう帰ったら……?明日から旅行やー、言うてたし」

「…………そうだね」

「奈緒もるいもそうしたら?また明日、手伝ってー」


 奈緒は何も言わずに大きく頭を下げ、るいの肩を何度も叩いたり揺らす。るいはまだ寝足りないのか、奈緒から抱き着いて起きない。


「じゃあ………、私だけ先に帰………」

「麻理、待った!三人仲良く帰りー。ほら、るい起きやー」


 あかねは頬を軽く二、三回叩くと、るいはゆっくりと目を開け、ゆっくりと身体を起こす。

 まだ事情を把握出来ていないるいは、まだ眠いのか、奈緒を支えにし立ち上がり、そのまま四人は玄関へ。


「ウチ、そこまで送るわ〜」

「でも………、外に出ちゃいけないんじゃ………」

「麻理、ウチは商いする人間やで?当然やん」


 屁理屈を並べたあかね、三人を送るため、親に聞こえないよう、黙って外へ。