「あかねちゃんのお母さんもすごいかっこよかったよ」

「ホンマかいな〜？」

「うん！着物とか着てたし」

「そう〜？何か照れるわ〜」


　そう言いながらデレデレ顔のあかね。因みにるいと奈緒は四角い缶の箱に入ったせんべいを全て食べ終えていた。


「ああ〜、奈緒達、ウチらのせんべい全部食べたん？」

「美味しかったよね〜、るいちゃん〜」


　るいはせんべいで腹一杯になったのか、まぶたが重くなっており、奈緒に寄り掛かっていた。


「もう〜、ウチ全然食べてへんよ〜」

「まあまあ。あかねちゃんは大人になったらたくさん食べれるんだし」

「大人になったら？」

「お父さんの仕事するでしょう？」

「それは………言うたけど………」


　それでも納得のいかないあかねの表情はブスっとし、頬をぴくっと膨らませた。