「ウチがラベンダーに水やっとくよ」

「本当にあかねちゃん?いいのそんな事してもらって………」

「任しとき〜、ウチそんなん得意やねん」


 この時、るいと奈緒は明日以降誰がラベンダーに水をやるのかすぐにわかったが、あえてその事は口を出さなかった。


「麻理お花ホンマ好きなんやな〜」

「うん!私、将来お花屋さんになるのが夢なの。そこで美味しいクッキーやケーキを焼いてたくさんの人に来てもらいたいの」


 再び笑顔になった麻理を見たあかね。因みにるいとあかねは海苔つきのせんべいの海苔の部分を外し、海苔だけを食べていた。


「夢いっぱいでええな〜。ウチは花植えるとか出来へんし、勉強も苦手やからオトンの店継ぐしかないかな〜」


 机にへばりつくように頭を落とすあかね。その様子に麻理はポンポンと軽く頭に当てた。