「そこで見たラベンダーがとっても綺麗でさ、私すぐに好きになっちゃったんだ」


 あかねは手で口を塞いだまま、何度もうんうんと頷いて返事を返す。


「でね、お母さんもラベンダー好きだって言ったから苗植えたんだけど………」


 麻理の表情はコロコロ変わり、あかねは何とか食らいつく。

 因みにるいと奈緒は、あかねの出したせんべいが気に入ったようで、麻理の事を忘れ、何枚も何枚も食べていた。

 そのため、二人の周りにはせんべいを包んでいた和紙がいっぱい。


「そ、そ、それは仕方ないな〜。でも家族で旅行行くとか滅多にないんやろう?」

「うん……そうだけど」

「何日行くん?」

「五日くらいだって」

「五日か……、ならウチに任しとき」


 何やら自信満々のあかね。麻理はその根拠のない自信にキョトン顔。