「………でも」


 麻理のこの言葉に辺りの空気が不穏になる。るいと奈緒は知らないフリをしてせんべいを食べる。

 あかねは二人に助けを求めたが、るいと奈緒は目を合わせようとせず、あかねは探り探り口を出した。


「な、な、何なん麻理?悩み事あるん?」

「花なんだけど……?」

「花?」

「夏休みの宿題でアサガオの観察あったでしょう?」

「しもうった!それやってへん。どうし………」

「あかねちゃん…………」

「あ、ゴメンな。話し止めてもうて」

「この前『わくわくフラワー館ラズベリ』ってとこ行ってラベンダー見たんだ」

「『わくわくフラワー館ラズベリ』って、いかにもウソくさ………、ゴメンゴメン続けて」


 余計な事を言わないようあかねは口を塞いでいたが、話しの腰を折られた麻理は軽く睨んでいた。