「………せんべいか、せんべい一箱で夏休みがなくなるのかー」

「わ、わかっとるよ麻理」

「………何が?」

「コレはあくまで宿題をしながら出来るようにってやつで…………」

「あかねちゃん本当にー?本当は……」

「ほ、ほ、ホンマやー。麻理そんな意地悪とかせんでええやん?」


 あかねは率先して箱についていたセロハンを外し、蓋を開けると一枚ずつ和紙で包んでいるせんべいを三人に渡していった。


「はい、るいに奈緒。おあがり」


 るいと奈緒は美味しそうにせんべいをほお張り、それを見たあかねはホッと一息。


「ほらほら、麻理も食べえーて。四人で食べた方が100万倍美味しいしー」

「・・・・・」


 麻理もるいと奈緒の様子を見て、一人だけワガママだとは思われたくないのか、あかねから貰ったせんべいのほお張った。