三人の心配など知るよしもないあかねは三人にすがりつき、三人は何て言っていいかわからず、ただただ黙っていた。


「三人ともありがとうなー、ウチのために来てくれてー！？」


　あかねは三人を巻き込むように力いっばい抱きした。そんな中、奈緒は身体を震わせ、口を開いた。


「あかねちゃん！何、どういう事！」

「へえ？奈緒どないしたんそんな怖い顔して…………」

「あかねちゃんが助けてって勤君に聞いて来たんだよ！」

「勤に電話はしたけど…………、何をそんなに怒っとん？」

「穴に落ちて助けてってーー」」

「穴？何言いよん？」

「え？穴だよ穴」

「ウチ、勤にそんなん言うてへんよ？」

「え？ウソでしょう？」


　わけのわからない奈緒は今までの事情を話す。それを聞いた途端、あかねは大笑い。