三人が着いたところは暖簾(のれん)と看板に『天道』と書かれ、小さく割烹(かっぽう)とも書かれていた。

 昨日ここに来た麻理は特にそれに関しては何もリアクションはなかったが、るいと奈緒は店の雰囲気に飲まれていた。


「すみませんーー!すみませんーー!!」


 麻理は店の外から大きな声を出し、少しすると一人の着物を着た女性が現れ、その人はあかねの母親であった。


「はいはい…………、あら?アナタは確か…………昨日のあかねを連れて来てくれた……………」

「麻理です!」

「ああ、麻理ちゃん。昨日はおおきに」

「あのー聞いて下さい。オバサン、あかねちゃんが……何とか………困って、呼んで………助けてと………」


 必死に何かを伝えようとする麻理。だが、必死になればなるほど、あかねの母親には伝わらず、あかねの母親は首を傾げる。