「るい…………、周りが変わるのって嫌って事?」

「……………どうなんだろう………」

「え?」

「………上手く言えないけど………」

「るい………………」

「・・・・・」


 それ以上どう聞いて話していいか互いにわからないまま、時間だけは刻一刻と過ぎ、沈黙が続く。

 緊張のあまり口が渇く雅明、気を紛らわせようと辺りを見渡すと部屋にあった今日の新聞が目につき、それを拾った。


「るい、明日休みとか予定ある?」

「…………どうして?」

「その気分転換にここ行かない?」

「………………何で?」

「何でって………、ほらなんかいい場所そうだから行ってみたいな〜とか……」


 部屋にあった新聞を見せた雅明、それを見たるいはしばらくそれを眺めた後、ゆっくりと大きく頷いて返事を返す。