それから10分、どの友人からも受験勉強で忙しいのか返信メールが来るのが遅く、15分経っても誰一人返信がない。

 ハァーとため息を吐き、散らかった部屋を急いで片付け、壁にかけていた時計で時間を確認。


「…………勉強しよう」


 先ほど奈緒のメッセージの書いた紙を拾う。すると紙には続きが書いてあった。


「………『PS:寂しい時はメールしてね』」


 その紙を見た途端、るいは無意識にケータイを開き、奈緒に向かってメールを送信。


「…………あ」


 るいは慌てて返信を中止しようとボタンを押した。だが時すでに遅し、メールはすでに送信されていたので取り消せない。

 先にメールを送った相手からはまだ返信がこない中、悪い事したと思いながらも奈緒のメールが来る事を祈った。