「ウザ子!私を騙したの?」

「えーー?何言ってるか奈緒ちゃんわからないよ〜」

「ウザ!ウザ子、ウザ!!」

「怒らない怒らない。でもどこやったのかも思い出せない?」

「そうやってすぐ話逸らす。…………でもどこいったのかな?」

「本当にわからないんだ…………」

「・・・・・」


 わずかに見えた奈緒の悲しそうな顔はるいの心を揺さぶり、るいは奈緒の顔をまともに見ることが出来ない。


「さっきの公園もそうだけど……………」

「・・・・・」

「変わらないのは私とるいちゃんとの愛だけか」

「…………だといいね」

「う、うん……………」


 いつもみたいにきつい返しはなく、完全に調子を狂わされた奈緒。

 二人の間では止まっているようであったが、時間の針は間違いなく進んでいた。