打ち上げも終わって、今は佐野先輩と、ミサンガを渡したときのあの公園にいます。


「なあ木部」


しんと静まりかえった夜、先輩の声がいつもよりよく聞こえて心地よい。


「なんですか、先輩?」


「お前の力ってやっぱすげぇや。
昨日くれたミサンガ、足首につけてたんだけど、そしたらいつもと違くて。
いくらでも走り続けられそうな、そんな感覚。」


「良かったあ!頑張って作った甲斐がありましたね、嬉しいです。」


「このミサンガ、これからもぜってぇ大事にする。」



佐野先輩はそう言って、私にさらに近づいてきた。