「……何も知らないくせに! 何も知らないくせに、勝手なこと言うな!!」


一瞬のざわめきが嘘のように静まり返った教室で、たたき付けるように声を、怒りをぶつける。



「私の“家族”を……馬鹿にしないでよ!」



何故、鈴羅が5年も前のことを話していたのかだとか、むしろ何故知っていたかなんて、どうでも良かった。

赦しがたい言葉に、頭の中が怒りで染まる。

その怒りを、ぶつけずにはいられなかった。