「私……ね、小学校が黒瀬と同じだったんだ」
「へぇ、そうなんだ。珍しいね、鈴羅と同じなんてさ」
「うん。でね、同じクラスだったこともあって……」


話し出したら止まらなかった。

黒瀬の何もかも突き放したような、あの態度が嫌い。
黒瀬の愛想笑いのひとつもしない、あの表情が嫌い。

何より、


「小5の時まで笑ってたくせに……。何で笑ってないのに、幸せそうに見えるんだろうね。本当に嫌なんだ、ああいうの。ただの妬みって解ってるんだけど」



頷いて聞いてくれている真奈に、鈴羅は愚痴を吐きつづけた。

いつの間にかクラスメートが聞き耳を立てていることにも気付いていたが、あまり気にしてはいなかった。