「えーっと……今、黒瀬いないよね……?」
「多分食堂じゃない? 昼休み終わるまで帰って来ないと思うよ?」


黒瀬ってずっと座ってるかずっといないかの二択だからさ、と言う真奈に釣られるように口を開く。

いないなら、少しくらい……。そう思った。


だって、鈴羅はずっと溜め込んでいたのだ。
小学生の頃から。五年分の瑞姫への悪口を。

誰にも言わなかった。
愚痴だと、悪口だと解っていたから。
自分の醜い心の内を、吐露したことは、1度だってなかった。


でも、でも、瑞姫が全て悪い訳じゃない、むしろ9割悪くないと解っているけど。



鈴羅は結局、どうしようもなく瑞姫のことが大嫌いなのだ。