「敵意……?」
「そうそ、気付いてない? 鈴羅さ、このクラスん中で、黒瀬にだけは笑ったことないんだよ」



鈴羅の弁当箱にだし巻き卵を押し込みながら、真奈は続ける。



「しかも、たまに睨んでたりね。気付いてる人は少ないと思うけどさ」



親友には筒抜けよー、と頬杖をついて笑った。



「なんかさ、思うところがあるなら言っちゃえば? 溜め込むのは身体に毒よ! なーんて」