瑞姫が席を立った、その直後のことだ。


前と後ろで机を繋げ、弁当を食べていた鈴羅に、正面に座っていた真奈が、面白そうに声を掛けた。



「ほーんと、鈴羅ってば黒瀬のこと嫌いだよねぇ」
「! えっ……」
「見てればわかるって。なんか……敵意? みたいなの、感じるんだよね」



図星を指され、驚く鈴羅の弁当箱から「もーらい」とアスパラガスのベーコン巻きを攫って、真奈はニッと笑う。