ところで、瑞姫の昼食はたいてい買ったパンかサンドウィッチだ。
コンビニのおにぎりは好きではないらしい。

しかし、たまたまこの日は寝坊したせいで、何も買っていなかった。


食堂は嫌いではない。
3学年が集まり、教師までもが同じ空間にいるあの場所は、瑞姫に向けられる視線が少ないためだ。

教室では、自業自得とはいえ、視線が痛い。
鋭い視線は、明らかに自分に対して良い感情を抱いていないとわかってしまうから。



席を離れると授業が始まる直前まで着席は出来ないだろうが、今日は食堂を利用しようか。
流石に昼食無しは嫌だし……教室より食堂の方が、居心地も良いだろう。